花粉症とは

花粉症は、スギ、ヒノキ、イネ科植物、ブタクサ、ヨモギなどの花粉が原因で起こるアレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎です。
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、涙、充血などが主な症状です。

スギは2〜4月頃、ヒノキは3〜5月頃、イネ科は春から初夏、ブタクサやヨモギは夏の終わりから秋にかけて飛散します。
花粉症は春だけの病気ではなく、原因花粉によっては長期間症状が続くこともあります。

この花粉症は、命に関わることが少ない病気と思われがちですが、実際には日常生活への影響が大きい疾患です。
鼻づまりによる睡眠不足、集中力の低下、勉強や仕事の効率低下、外遊びや運動への支障、目のかゆみによる不快感など、成長に影響を与えたり、生活の質を大きく下げたりすることがあります。

当院では、お子さまから大人の方まで花粉症の診療を行っています。
症状が軽いうちから治療を始めることで、シーズン中のつらさを軽減できる場合があります。
大阪市天王寺区・上本町、鶴橋周辺で花粉症にお悩みの方は、毎年の症状を我慢せず、お早めにご相談ください。

花粉症の起こる原因と仕組み

花粉症は、体の免疫が花粉を異物と認識し、過剰に反応することで起こります。
花粉が体内に入ると、花粉に対するIgE抗体が作られます。
このIgE抗体が鼻や目の粘膜にある肥満細胞に結合し、再び花粉が入るとヒスタミンやロイコトリエンなどが放出されます。
その結果、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみが起こります。

花粉症は、アレルギー体質、家族歴、生活環境、大気汚染、睡眠不足、ストレスなど、さまざまな要因が関係して発症・悪化します。
お子さまの場合も、近年は低年齢から花粉症を発症するケースが増えており、「風邪が長引いている」と思っていた症状が、実は花粉症であることもあります。

花粉症の症状

軽症では、くしゃみや鼻水があっても日常生活への影響は少ない状態です。中等症になると、鼻づまりや目のかゆみで睡眠や集中力に影響します。
重症・最重症では、症状が強く、仕事、勉強、外出、睡眠に大きな支障が出ます。
お子さまでは、鼻をこする、目をこする、口を開けて寝る、集中力が落ちるなどの様子で気づくことがあります。
風邪と違って、熱がないのに鼻水や鼻づまりが長く続く、毎年同じ時期に症状が出る場合には、花粉症の可能性があります。

花粉症の検査

診断では、症状が出る時期、毎年の経過、鼻や目の症状、家族歴などを確認します。
花粉の飛散時期と症状の時期が一致しているかは、診断の大切な手がかりになります。
血液検査では、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどへの特異的IgE抗体を調べます。
ダニやハウスダストも同時に確認することで、通年性アレルギー性鼻炎との違いも判断しやすくなります。
また、鼻の粘膜の状態、鼻水の性状、目の症状、咳の有無などを診察し、風邪、副鼻腔炎、気管支喘息、咳喘息など、ほかの病気が隠れていないかも確認します。

花粉症の治療

治療は、花粉をできるだけ避ける対策と、薬物療法を組み合わせます。
抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、点鼻ステロイド薬、点眼薬などを症状に合わせて使用します。
毎年症状が強い方は、花粉が飛び始める前、または症状が出始めた早い時期から治療を始めると、シーズン中の症状を軽くできる場合があります。
「症状がひどくなってから受診する」のではなく、早めの相談をおすすめします。

当院では、一般的な薬物療法に加え、スギ花粉症に対する舌下免疫療法、重症・最重症のスギ花粉症に対する抗IgE抗体療法にも対応しています。
通常の薬で十分に症状が抑えられない方、眠気などで内服薬が使いにくい方、毎年の花粉症を根本的に改善したい方は、お気軽にご相談ください。
それぞれの療法が患者さまに適しているかどうかを丁寧に確認し、治療のメリット、注意点、費用、通院頻度などをご説明したうえで、患者さまと相談しながら治療方針を決めていきます。

舌下免疫療法

舌下免疫療法は、アレルゲンを少量ずつ体に取り入れ、体を慣らすことでアレルギー反応を起こしにくくする治療です。
現在、花粉症ではスギ花粉症に対して保険診療にて治療が行えます。
スギ花粉症では、シダキュアと呼ばれる舌下錠を毎日、舌の下に含むもので、大人はもちろん、お子さま(原則5歳以上が対象)でも継続しやすい治療法です。
治療は花粉飛散期には開始できず、飛散が落ち着いた時期から始めます。
効果を得るには3〜5年程度の継続が必要です。
副作用として、口の中のかゆみ、舌や唇の腫れ、のどの違和感などがあり、まれに全身性のアレルギー反応(アナフィラキシー)が現れる場合があります。
そのため初回の投与はクリニック内で行い、30分ほど経過観察をします。
また重い喘息や全身疾患がある方、免疫抑制治療を受けている方などは治療できない場合があります。
ハウスダストによる舌下免疫療法製剤にはミティキュアやアシテアというものがあります。アレルギー性鼻炎だけでなく、気管支喘息などでも使用することがあります。

抗IgE抗体療法(ゾレア)

抗IgE抗体療法は、重症・最重症のスギ花粉症に対して行う注射治療です。
代表的な薬剤はオマリズマブ(商品名ゾレア®)です。
IgE抗体の働きを抑えることで、花粉によるアレルギー反応を起こりにくくします。
対象は、通常の内服薬、点鼻薬、点眼薬で十分に症状が抑えられず、強い鼻づまり、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ、睡眠障害、日常生活への大きな支障が続く重症・最重症の方です。血液検査、体重、症状の重症度などを確認して適応を判断します。
主にスギ花粉シーズン中に、一定間隔(通常は4週間ごと)で皮下注射を行います。
副作用としては、注射部位の赤み、腫れ、痛み、かゆみなどがみられることがあり、まれに全身性のアレルギー反応(アナフィラキシー)がみられることもあるため、注射後はクリニック内で経過観察を行います。
なお、小児の対象は12歳以上で、ほかに妊娠中・授乳中の方、重い全身疾患がある方、過去に薬剤で強いアレルギー反応を起こした方などは、慎重な判断が必要とされています。