『明日に向かってうて!!』ていう映画があったのご存知です?院長コラムです。
2011年9月、エピネフリン自己注射薬「エピペン(0.3mg,0.15mg)」が保険適用になりました.下の写真ではわかりにくいですが、STAR WARSのライトセーバーみたいでしょ?ところでアナフラキシーとは、食物(鶏卵,牛乳,小麦,そば,ピーナッツなど),薬物(抗生物質,非ステロイド消炎鎮痛剤,抗ガン剤,ワクチン,造影剤など),ハチ毒などが原因で起こる即時型アレルギー反応の総称です。皮膚(発赤,かゆみ,じんましんなど),呼吸器(息苦しさ,口腔のかゆみや違和感,呼吸困難,喘鳴,くしゃみなど),消化器(嘔吐,腹痛,下痢など),循環器(血圧低下,動悸など),神経(意識障害など)など多臓器に症状が現れ,ときにショックを引き起こします.こうした生命をおびやかす危険な状態を「アナフィラキシーショック」と呼びます.アナフィラキシーが急速に進行してショックに至るような場合には,医療機関に搬送してから処置をしていたのでは間に合いません.過去に重篤な症状を起こしたことがある人あるいはその可能性がある人は,症状が進行する前に自己注射をする必要があります.このために開発されたのがエピペンです.エピペンはあらかじめ注射針,容器,薬液が一体となっており,使用時に安全キャップをはずし大腿部外側に押し当てるだけでエピネフリンの投与が可能です.薬液は一定量しか注入できないように設計されており,過量投与の心配はありません.衣服の上からでも投与できる構造設計になっています.(詳しくは,エピペンホームページをお読みください. http://www.epipen.jp/ )
今後エピペンの普及が進むことが予想されます.学校生活でエピペンの使用が必要になった場合,たとえ本人がエピペンを所持していても低学年のためあるいは症状が強く本人が自己注射できない事態が生じることがあります.この場合,教師など周囲にいる人がエピペンを使用してあげなければいけません.先生方には負担が大きいかもしれませんが、、、簡単にいうと勇気をもってうつしかないですね。あと教育現場の方々にもアナフィラキシーの症状をよく理解してもらわないといけませんね。
エピペンは講習を受けた医師がいる医療機関で処方を受けることができます.「アナフィラキシー医療機関リスト」( http://www.anaphylaxis.jp/list/index.html )に処方可能な医療機関が掲載されており,当院も登録されています.是非 ご相談ください.(2012 5/11)