なにかとばたばたしてますが、がんばります!!。院長コラムです。先日の新聞記事ですがついに今秋経口生ポリオワクチンが廃止になり不活化ポリオワクチンが接種されます!!これまでポリオワクチンは飲むものでしたが、注射になる訳です。ところで日本のポリオ事情ですが、1960年に日本でも北海道を始めとしてポリオが大流行しました。1961年に輸入生ワクチンの緊急投与が行われ、1964年以降は生後3カ月~48カ月の子に春、秋2回の現在の接種形態が確立しました。その結果、ポリオ患者は激減し、現在日本国内では完全に制圧されています。(現在のところ、野生のポリオウイルスが伝播している国はアフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタンの4カ国だけです。)しかし2000年春、福岡県で経口生ポリオワクチン接種後に急性脳症になったお子さんと急性弛緩性麻痺になったお子さんがいました。さらに10年間で国内では12人(11人が男児です。)経口ワクチン接種後下肢麻痺が出現したお子さんがいらしゃいました。フィリピンなどでもワクチン接種後にこうした症例があったのですが、注目すべきはワクチン接種後数週間して発症しているということ!アルゼンチンなどの下水からの感染事件のことも考えると私的に次の考えが浮かんできます。おそらく腸管免疫の弱い人などはだらだらと長くポリオウイルスが腸管内にとどまり、その間にウイルスが変異し宿主を攻撃する。そして糞便に出されたポリオワクチン株のウイルスはまた腸管免疫の弱い宿主を攻撃する。こう考えるとやはり生ワクチンはやめて不活化ワクチンを注射するほうがいいように思います。11月には三種混合とポリオがセットになった四種混合ワクチンも認可されるとのこと。お母さん方はまた悩まれることと思います。当院では現在まだ不活化ポリオワクチンは取り扱ってませんが、副作用の保障制度のこともありますのでちゃんとした国内入手ルートが確立してから接種を開始しようと考えています。(2012 4/26)