私見1 脂肪酸代謝とインフルエンザ脳症

大阪マラソンは結局5時間もかかってしまいました、、、また落ち着いたらフルマラソン挑戦しよ!!院長コラムです。さて運動サプリメントでVAAMというものがあるのをご存知でしょうか?高木ブーさんがそれを飲むとまわりの脂肪が溶けて金メダリストの高橋尚子さんになるというCMもありましたね!スズメバチが脂肪をエネルギーに変えるのはアミノ酸だというキャッチコピーでした。さらにスーパーVAAM(下図1)というのもあってこれはVAAMにさらにカルニチンが加えられた物でよりハードな運動をする人に勧められています。あれ?カルニチンってどこかで聞いた事ないですか?前回の最後の方にカルニチントランスポーターを遺伝子的に欠損させたネズミ(以下はCRT欠損マウスと呼ぶ事にします。)が出てきましたね!!実は脂肪酸の代謝にはカルニチンが必要なのです。CRT欠損マウスは脂肪酸代謝が著しく低下し脂肪酸によるエネルギー産生が少ないねずみです。実は乳幼児はブドウ糖からエネルギーを産生する割合が高く脂肪酸からエネルギーを産生する割合が成人より少ないのです。また脂肪酸1分子から産生されるエネルギーはブドウ糖から産生されるエネルギーの約3倍です。(もう昔に勉強した事で忘れました、、、突っ込まないで〜〜笑)CRT欠損マウスにインフルエンザA型を感染させると脳浮腫が起こるという現象は、脂肪酸代謝が低い人や乳児はインフルエンザ脳症になりやすいということを示唆します。遺伝子的に脂肪酸代謝がひくいかどうかなんて我々にはわからないですよね?ここは私の私見ですが、例えば以前タミフル等を飲んで興奮したり、熱がでるといつもぐったりする人などはやはりインフルエンザが悪化しやすい素因があると思います。そういう人や乳児は例えばしっかりワクチンを射ったり、インフルエンザにかかれば、今はラピアクタ(下図2)という注射の薬もありますから、そういう治療が必要じゃないかと思います。
前回より少し時間が空きましたが、すいません。年内はもう一回ぐらいはがんばって更新します。(2012 12/3)

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